整骨院を開業する際には、内装工事や集客準備と並行して、いくつかの行政手続きを済ませておく必要があります。開業前後に押さえておきたい代表的な3つの届出を、順番にご紹介します。提出先や期限がそれぞれ異なるため、早めにスケジュールを把握しておきましょう。

1. 施術所の開設届(保健所)

柔道整復師として施術所を開設する場合、開設した日から10日以内に、施術所の所在地を管轄する保健所へ「施術所開設届」を提出する必要があります。施術者の資格証の写しや施術所の平面図など、複数の添付書類が必要になるため、内装工事の段階から準備を進めておくとスムーズです。書類に不備があると受理までに時間がかかることもあるため、事前に保健所の窓口で必要書類を確認しておくと安心です。図面には、待合室・施術室・器具の消毒設備などの配置を明記する必要があり、内装業者と早めに共有しておくと手戻りを防げます。

2. 受領委任契約に関する届出(厚生局など)

保険診療(療養費の受領委任)を取り扱う場合は、地方厚生局および都道府県への届出が必要です。この手続きが完了していないと保険請求ができないため、保険診療を行う予定の院にとっては特に重要な手続きになります。申請から受理までに1か月前後かかることもあり、3つの届出の中でもっとも時間がかかりやすい手続きです。

3. 事業の開業届(税務署)

個人事業として開業する場合は、事業開始日から1ヶ月以内に、納税地を管轄する税務署へ「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出します。あわせて青色申告を検討している場合は、「青色申告承認申請書」もこのタイミングで提出しておくと、開業初年度から青色申告のメリットを受けられます。開業届の詳しい期限の考え方は「開業届はいつまでに提出する?」で解説しています。

3つの届出を一覧で整理する

届出提出期限の目安
施術所開設届(保健所)開設から10日以内
受領委任契約の届出(厚生局等)保険診療開始前(1か月前後を見込む)
開業届(税務署)事業開始から1か月以内

3つの届出は、提出先(保健所・厚生局・税務署)がすべて異なるため、それぞれ別の書類・別の窓口として管理する必要があります。特に受領委任の届出は準備期間が長くなりやすいため、開業日の1〜2か月前には準備を始めておくと安心です。

届出を怠るとどうなるか

施術所開設届や受領委任の届出を怠ったまま営業を始めてしまうと、保険請求ができない、無届の施術所として指導の対象になるといったリスクがあります。開業を急ぐあまり届出を後回しにしてしまうケースもありますが、後から慌てて対応すると営業開始が遅れる原因にもなるため、内装工事と並行して早めに準備を進めることが大切です。特に受領委任の届出は、受理されるまで保険請求ができない「空白期間」が生じやすいため、オープン日を決める前に厚生局への相談を済ませておくことをおすすめします。

整体院・美容系サロンの場合はどうなるか

柔道整復師の資格を持たない整体院や、美容系サロンとして開業する場合は、施術所開設届や受領委任契約の対象外となることが一般的です。ただし、無資格者による施術は医業類似行為に関する法令の範囲を超えないよう注意が必要で、業態によっては別の許可・届出が必要になることもあります。開業する業態が保健所や厚生局の届出対象に該当するかどうかは、事前に確認しておくと安心です。

スケジュール管理がポイント

3つの届出はそれぞれ提出先・期限・必要書類が異なるため、開業日から逆算してスケジュールを組んでおくことが大切です。特に保険診療を行う予定がある場合は、受領委任の届出にかかる期間も見込んで準備を進めましょう。税務署への届出については「治療院を開業したら最初に提出する税務署への届出」もあわせてご確認ください。

よくある質問

Q整体院や自費診療のみの院でも、同じ3つの届出が必要ですか?
保険診療を行わない整体院の場合、受領委任契約に関する届出は不要です。ただし、無資格者が行う整体院は保健所への施術所開設届の対象外となることが多く、業態によって必要な届出が異なるため、個別に確認することをおすすめします。
Q届出の提出はすべて自分で行う必要がありますか?
税務署への届出は税理士が代行・サポートできます。保健所や厚生局への届出は、行政書士や社会保険労務士のサポートを受けられるケースもあります。アトラス会計では、専門家と連携しながら開業準備全体をサポートしています。

3つの届出はいずれも、開業日までに終わらせておかないと営業に支障が出るものばかりです。「まだ内装工事中だから届出は先でいい」と後回しにせず、工事の進捗と並行してスケジュールを組んでおくことをおすすめします。アトラス会計では、税務署への届出書類の作成サポートはもちろん、開業に向けたスケジュール全体のご相談も承っています。「何をいつまでに準備すればいいか分からない」という段階から、お気軽にご相談ください。

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