税理士は全国に数万人存在しますが、その専門分野はさまざまです。「今の税理士に相談しても、業界のことを分かってもらえている気がしない」というご相談を、他事務所から乗り換えていらっしゃる先生からよくいただきます。治療院経営者が税理士を選ぶ際に、治療院専門の税理士を選ぶべき理由を、実際の相談内容をもとに考えていきましょう。

勘定科目の切り分け方が違う

治療院の経理では、テーピングや包帯などの「材料費」と、事務用品などの「消耗品費」の区分、施術に使うオイルやサポーターを販売した際の売上区分など、一般的な業種にはない判断が数多く発生します。業界を知らない税理士に依頼すると、こうした科目がすべて「雑費」や「消耗品費」にまとめられてしまい、材料費率などの経営指標が正しく把握できなくなることがあります。細かい話に聞こえるかもしれませんが、この積み重ねが、後々の経営判断の精度を左右します。

施術者への支払いが「給与」か「外注費」かの判断

業務委託の施術者への支払いを外注費として処理するか、給与として処理するかは、消費税や源泉徴収の扱いが大きく変わる重要な論点です。勤務時間の拘束の有無、指揮命令の実態、他院での就業の可否など、税務上・労務上の判断基準を踏まえて整理できるかどうかは、治療院の実情を理解しているかどうかで対応の質が変わります。一般的な税理士では、この判断を後回しにされ、税務調査で指摘されてから慌てて是正するケースを見てきました。

保険診療の未収金を正しく管理できる

保険診療は、施術から入金までにタイムラグがあり、月末時点で「まだ入金されていない売上(未収金)」が発生します。この未収金を正しく計上できていないと、決算書の数字が実態とずれてしまい、金融機関からの評価にも影響します。療養費の請求サイクルを理解した税理士であれば、この未収金の管理も含めて、実態に即した決算書を作成できます。

開業から分院展開までの伴走実績

治療院専門の税理士は、開業融資、法人成り、分院展開、スタッフ採用など、治療院が経営フェーズごとに直面する課題を数多く経験しています。同じような相談を何度も扱ってきた経験は、的確なアドバイスの土台になります。

一般的な税理士との違いを比較する

項目
一般的な税理士
治療院専門の税理士
科目の切り分け
雑費・消耗品費にまとめがち
材料費など業界基準で整理
保険診療の未収金
把握が曖昧になりやすい
請求サイクルを踏まえて管理
施術者の給与・外注区分
一般的な基準で判断
業界の実態に即して判断
経営相談
税務中心
数字の目安・分院展開まで対応

選ぶ際に確認したいポイント

税理士を選ぶ際は、①治療院の顧問実績が豊富か、②保険診療の未収金や材料費など業界特有の科目を理解しているか、③開業支援や分院展開のサポート実績があるか、④税務だけでなく経営相談にも対応してくれるか、の4点を確認すると、自院に合った税理士を見極めやすくなります。面談の際に、実際の顧問先の業種や規模感を具体的に聞いてみるのもひとつの方法です。

よくある質問

Q今の税理士から乗り換える場合、手間はかかりますか?
決算期のタイミングに合わせて切り替えるのが一般的で、会計データの引き継ぎも税理士同士で進められます。ご本人にご負担いただくのは、契約解除の連絡と、新しい税理士との面談程度で済むことがほとんどです。
Q治療院専門でなくても、経験豊富な税理士なら問題ないのでは?
経験豊富な税理士であっても、業界特有の商慣習(保険請求のサイクルや施術者の契約形態など)を都度説明する手間が発生します。相談のたびに背景説明から始めるより、最初から業界を理解している税理士の方が、意思決定のスピードが上がります。
Q相談だけでも可能ですか?
はい、契約前の無料相談も承っています。現在の顧問税理士を変更する予定がなくても、セカンドオピニオンとして現状の申告内容や経営数字をチェックすることも可能です。

税理士選びは、その後の経営の質を大きく左右する重要な決断です。治療院専門の税理士だからこそ提供できるサポートについて、ぜひ一度ご相談ください。

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